2019年12月07日

独居老人の生活1712(言語の力#9:敵性語)


チェンマイ独居老人の華麗なる生活1712(言語の力9:敵性語)


 敵国外患無き者は 国恒に亡ぶ     孟子

    <意味>
  競争する国や敵国がなく、外国に攻められる心配もない国は、
  国全体に緊張を欠き油断を生じてついには国が滅亡する。


韓国では日本語排斥運動というのをやる。
反日もここまでくると 「お好きにどうぞ!」 だ。

かって 「刺身」という単語は日帝残滓だからと、 国策レベルで朝鮮語の 「センソンフェ」 に変えることを推奨したそうな。

只々愚かしいとしか言いようがないが...


しかし韓国を笑ってばかりはいられない。
戦前には日本も同じように反米・排米で厳しくやったのだ。

それは敵性語と言われた。
敵性語は、 敵対国や交戦国で一般に使用されている言語。

支那事変が勃発してアメリカやイギリスとの対立がより深まり、 1940年に入ると英語は 「軽佻浮薄」 となり排斥運動が進んだ。


で、 敵性語(英語)の言い換えが熱心に行われたのだが、 今日はその例を見て行こう。

先ず野球。

 「ストライク」→ 「よし1本」  「正球」
 「ストライク ツー」→ 「よし2本」
 「ストライク スリー」→ 「よし3本」 

 「ボール」→ 「(だめ)1つ」  「悪球」
 「ファウル」→ 「だめ」  「圏外」  「もとえ」
 「アウト」→ 「ひけ」  「無為」

 「セーフ」→ 「よし」  「安全」
 「バッテリー」→ 「対打機関」
 「タイム」→ 「停止」

 「バント」 → 「軟打」
 「デッドボール」 → 「触体球」
 「カーブ」 → 「曲球」

pict-1936年2月9日 日本最初のプロ野.jpg
       ☝ 1936年2月、 日本最初のプロ野球試合。


もし現代なら、 球団名だって言い換えねばならない。
例えば、

 読売ジャイアンツ →  読売巨人。
 阪神タイガース →  阪神虎。
 中日ドラゴンズ →  中日竜

 横浜DeNAベイスターズ →  出名湾星
 広島東洋カープ →  広島東洋鯉
 ヤクルトスワローズ →  薬留都燕


 オリックス・バファローズ →  檻区巣野生牛
 ソフトバンクホークス →  軟らか銀行鷹
 日本ハムファイターズ →  日本燻製肉戦士

 ロッテマリーンズ →  六手海兵隊
 西武ライオンズ →  西武百獣の王
 楽天ゴールデンイーグルス →  楽天金色鷲

竜虎の対戦ならまだいいが、 鯉 VS 燕では何かなあ...

            * *

野球以外のスポーツでは、

 「ラグビー」→ 「闘球」
 「ゴルフ」→ 「打球」  「芝球」

 「スキー」→ 「雪滑」
 「スケート」→ 「氷滑」


放送用語では、

 「アナウンサー」→ 「放送員」
 「マイクロホン」→ 「送話器」
 「レコード」→ 「音盤」
 「ニュース」→ 「報道」

             * *

飲食物:

 「フライ」→ 「洋天」
 「キャラメル」→ 「軍粮精」
 「コロッケ」→ 「油揚げ肉饅頭」

 「カレーライス」→ 「辛味入汁掛飯」
 「ドーナツ」→ 「砂糖天麩羅」
 「サイダー」 →  「噴出水」


雑誌:

 『キング』→ 『富士』
 『エコノミスト』→ 『経済毎日』

 『ユーモアクラブ』→ 『明朗』
 『経済マガジン』→ 『経済ニツポン』

 『オール讀物』→ 『文藝讀物』
 『サンデー毎日』→ 『週刊毎日』
  (なぜか 「日曜毎日」 にはならなかった)


社名:
 「欧文社」→ 「旺文社」
 「後楽園スタヂアム」→ 「後楽園運動場」
 「キングレコード」→ 「富士音盤」

 「シチズン時計株式会社」→ 「大日本時計株式会社」
 「コロムビアレコード」→ 「ニッチク(日蓄工業)」
 「大同メタル工業」→ 「大同軸受工業」

 「日本ビクター」→ 「日本音響株式会社」
 「ポリドールレコード」→ 「大東亜蓄音機」
 「ワシントン靴店」→ 「東條靴店」


商品名・ブランド名:

 「エンパイヤ自動車」→ 「帝国自動車」
 「富士ミネラルウォーター」→ 「富士鉱泉」

 「マッチ」→ 「当て擦り」
(なんで当て擦りなの? 「火おこし爪楊枝」 で良かったのに..)

 「オロナミンC」 →  「愚難民4」

pict-リポビタンD.jpg

テレビCMの 「ファイト 1発!」 もダメ。
これは 「頑張れ 1発!」 か、 「ヤルぞ 1発!」。

その物ずばりで 「勃起 1発!」 でもいいか。

            * *

芸名など:

「秋田Aスケ・Bスケ」 →  「徳山英助・美助」 漫才師)
「あきれたぼういず」→ 「新興快速舞隊」

「スタルヒン」→ 「須田 博」 (野球選手)
「大橋節夫とハワイアイランダース」→「大橋節夫と南映楽団」

「バッキー白片」→ 「白片力」 (ハワイアン)
「ミス・コロムビア」→ 「松原操」 (歌手)

「ミスワカナ」 →  「玉松ワカナ」 (漫才師)
「リーガル千太・万吉」→ 「柳家千太・万吉」 (漫才師)

              * *

筆記用具:

1943年頃から、トンボ鉛筆は 「敵性語の撃滅!」 と題した新聞広告で、 鉛筆の濃さの表記を以下のように変えると告知した。

 「HB」→ 「中庸」
 「H」→  「1硬」
 「B」→  「1軟」

セックスを 「H する」 と言うが、 「1硬する」 ではピンとこない。


音楽:

 「サクソフォーン」→ 「金属性先曲がり音響出し機」
 「トロンボーン」→ 「抜き差し曲がり金真鍮喇叭」

 「ヴァイオリン」→ 「提琴」
 「コントラバス」→ 「妖怪的四弦」

 「ピアノ」→ 「洋琴」
 「ヴァイオリン」→ 「瓢箪型糸擦機」

 「オーケストラ」→ 「楽隊屋」

言い換えのご苦労がよく分かるが、 聞いても意味をつかむのに
大変だ。

              
その他:

 「パーマ」→ 「電髪」
 「酸素マスク」→ 「与圧面」
 「ロータリー」 →  「円交路」

             * *

ゴルフは→打球になり、 「クラブ」 は 「打杖」 に、 「バンカー」 は 「砂窪」 と漢字に変わった。

その他ではどうだったんだろう?
以下はジジイが考えた言い換えだ。

 「ドライバー」 → 「運転手、 ねじ回し」
 「スプーン」 → 「匙」
 「アイアン」 → 「鉄」

 「サンド ウエッジ」 → 「砂くさび」
 「ピッチングウエッジ」 → 「投球くさび」

こうなるとテレビ中継のアナウンサーもやり難い。

『首位を行く松山英樹が 「5番短い穴」、 543尺に挑みます。
  (5番ショートホール、 180ヤードに挑みます)

さあ 「台座打球」 (ティーショット)の構えに入りました。
   見事な打球! (ナイスショット!)
pict-ティショッ.jpg
               ☝ イメージ画像。


「3番匙」 を使用......高〜く揚がりました...
お、「みどり」 (グリーン)の 「穴に1発」 です!』

とまあ、 ホールインワンすると卑猥な感じ。
「みどり」 にうっかり 「さん」 を付け、

『松山英樹選手、 みどりさんの穴に1発』 と言ったら、 そのアナウンサーは左遷確実だろう。

              * *

今、 敵性語が禁止となると、 競馬も言い換えに大変だ。
仮に歴代のG-1獲得馬(名馬)が一斉に出走したとしよう。

TVの競馬実況もすべて日本語になる。
馬の名前も敵性語だと改名しなくちゃならない。

では、 その実況をお聞きください。

各馬順調に 「門入り」 (ゲートイン)終了、 出発しました。
早くも 「北三黒」 が先頭に出ております。

「北三黒」 に競りかけるのが 「黄金湿布」、 1馬身差で
「小栗の帽子」、 「扁桃の目」、 並んで 「王様亀派目歯」、
その後ろに「会社」、 「賞賛の月」 と続きます。

先頭から5馬身差で 「折る寓話」、 その後を追って 「特別な週」、 「10点」、 後方から追走は 「速度の象徴」 と 「深い衝撃」 です。

pict-競馬レースシーン.jpg


各馬、 4番目の角を曲がりました、逃げる 「北三黒」、 続いて
「小栗の帽子」....

直線、 各馬鞭が入った、 残り千尺(約 300m)。
中を抜け出したのが「王様亀派目歯」、 内から 「10点」、

大外から鋭い差し足 「深い衝撃」 がやって来た!
「10点」、 「深い衝撃」 か、 アッ 「会社」 が突っ込んできた。

3馬、並んで決勝点に入りました。
お持ちの馬券はお捨てにならずに、 写真判定をお待ちください』

と、こんな具合で実況されるわけだが、 なぜか迫力がない。

競馬ファンなら 「  」 内の馬名を読んでお分かりだと思う。

参考までに、 上記出走馬の元の名前は次の通り。

  キタサンブラック →  北三黒
  テンポイント →  10点

  ゴールドシップ →  黄金湿布
  ディープインパクト →  深い衝撃

  オグリキャップ →  小栗の帽子
  オルフェーヴル →  折る寓話

  アーモンドアイ →  扁桃の目
  キングカメハメハ →  王様亀派目歯

  スペシャルウィーク →  特別な週 
  アドマイヤムーン →  賞賛の月

  カンパニー →  会社
  スピードシンボリ →  速度の象徴

             * *

フェラチオなら尺八で十分。
ではクンニ(クンニリングス)ならどう言い換えようか?

ハーモニカは敵性語でダメ。


「割れめ豆 舌先触れ」 か....






「万古ぺろぺろ」 かな。


チェンマイって ホントいいですね!  
posted by チェンマイ華麗なる独居老人 at 14:03| Comment(2) | バラエティー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
旺文社の由来を初めて知りました。ヘェ〜でした。チェンマイの気温8度や14度は北国からすれば春そのものです。チェンマイって良いなぁ。
Posted by かっちゃん at 2019年12月08日 15:27
かっちゃん殿:
ずっと暖かいというか暑いところに住んでますと、20℃を切ったら寒く感じ、10℃前後になりますと震えます。
今日はランチにバイクで出かけましたが、4枚着込んでも寒かったですよ(笑)
コメントありがとうございました。
Posted by 独居老人 at 2019年12月09日 00:29
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