2018年07月25日

独居老人の生活1250(引き揚げ者たち-2:男の美学)


チェンマイ独居老人の華麗なる生活1250
                     (引き揚げ者たち-2:男の美学)


  いかにくだらないことやバカなことを

  大真面目にやって涼しい顔をしているか.....

                                    これも男の美学 


6月下旬、 1人の爺さん(73歳)がチェンマイを去っていった。
かれこれ17年のチェンマイ暮らしに別れを告げたのだ。

名前を仮に八幡さんとしておこう。
ジジイがチェンマイに来て、 初めてできた友人が八幡さんだった。

散歩していたジジイに 「おはよう」 と言って近づいてきた。

「私が日本人って、 どうして分かるんですか?」

「そりゃあすぐ分かりますよ、 付けてる時計とか身なりでね」

ジジイはその頃、 旧市街のゲストハウスに住んでいた。
ということは11年ほど前のことか。

9千バーツ/月の部屋代(電気・水道代込み)、 Wi-Fiも無料だったが、 まだパソコンすら持って来ていなかった。

「毎日、 何をやってんですか?」 と八幡さん。

「日中は読書、 他にはNHK Worldでニュースを見るくらい」

「もったいない、 日本人はタイ人女性にモテる、 女の子を見つけなきゃあチェンマイにいる価値、ないですよ」

                  * *

付き合いが始まって、 八幡さんにパートナーがいる事を知る。 
タイヤイ族の女性で29歳、 既に6年同居しているという。

てことは、 彼女が23歳の時に口説いたことになる。
色白のスラっとした美人、 片や八幡さんはその時56歳。

おまけに彼は小柄でハゲ(50代でとっくにハゲていたとか)。
こんなオッサンがなんで33歳も年下の女性を物にできるのか。

ジジイはカルチャーショック同然、 ああこれがチェンマイか!
そう驚嘆したことを覚えている。

八幡さんはスモーカー、 しかし下戸、 賭け事も嫌い。
好きなのは女性だけ、 先天性助平だと自分で認めていた。

「俺の年金はこれだけ」 と言って見せてくれた年金通知書。

「2ヵ月で15万円(75,000円/月)、 これで十分やれますよ」

彼女に出すお手当は8千バーツ/月。
毎日の食事は八幡さんが提供していた。

しかしジジイと知り合って4年経った頃、 八幡さんは彼女に飽きがきたのか、 別れてしまう。

それこそ勿体ない...ジジイはそう思った。
その後八幡さんには決まった恋人ができず、 ずっと独居が続く。

                 * *

ジジイには初めてのメーサイの置屋、 ここに案内してくれたのが
八幡さん。 

その後、 タチレク(ミャンマー)の置屋に連れてってくれたのも八幡さん。 彼とは数回、 メーサイ・タチレクに行ったものだ。

   メーサイ(タイの国境ゲート)
pict-mae-sai-thailand.jpg
        ☝ 写真はトリップアドバイザーより。


運転免許、 ビザ、 タイの習慣、 タイ人女性の性行など、 加えて友人の紹介と、 有りとあらゆる事で助けてくれた。
 
ジジイがチェンマイ気楽に暮らせたのは八幡さんのお陰。
これほど世話になりながら、 1度もジジイのカノ女を紹介できなかった。
カノ女を見せてよ、と言うタイプの人ではなかったが.....


そんな元気な八幡さんがなぜチェンマイを引き揚げたのか?

左の腰から脚にかけて痛みが出てきた。
ゆっくりなら歩けるのだが、 しばしば立ち止まって休憩。

健脚を誇った八幡さんは厳しい現実に直面。
1年ほど我慢しながらチェンマイ暮らしを続けたが.......

とてもダンディーな八幡さんには、 彼なりの矜持がある。

「動けなくなった惨めな自分を他人には見せたくない。
 元気なうちに帰国して、 日本で暮らしますよ」

彼には日本に自宅がある。
1度離婚はしたが、 結婚している娘さんが近くに住む。

この辺りが潮時と考えたのだろう。
数ヵ月前から準備を始め、 見事にチェンマイを引き揚げた。

17年間のチェンマイ暮らし、 最後まで男の美学を貫いたと思う。

引き揚げる直前、 八幡さんは友人と共に3泊4日でタチレクへ....
そこには楽しい思い出がいっぱい、 心置きなく..とはこのこと。

脚は痛くてダメだが、 真ん中の一物は元気そのもの。

   タチレク(ミャンマー)の国境ゲート。
pict-トリップアドバイザー提供).jpg
           ☝ トリップアドバイザーより。



タチレクから戻ってきた八幡さんが嬉しそうにジジイに言う。

「いやァ、 ホント最高だった、 何年ぶりだろ?」








 「オレ、 射精したんだよ」

八幡さんのこれから.......幸多かれと祈ります。


チェンマイって ホントいいですね!




posted by チェンマイ華麗なる独居老人 at 10:41| Comment(12) | 華麗なる生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>6月下旬、 1人の爺さん(73歳)がチェンマイを去っていった。
>左の腰から脚にかけて痛みが出てきた。

タイで病にかかり自費治療となると、少々の蓄えはアッという間に消えて無くなります。
ましてや75,000円/月の年金じゃ。。。。。。

日本はいい国!
国保に介護保険にナマポと至れり尽くせり。
人生の終焉は日本に限ります。
Posted by at 2018年07月25日 12:06
お名前未記入殿:
コメントありがとうございます。
「日本はいい国!」 この一言に尽きますね。
日本は悪い国...こう言って憚らない人がいるから不思議です。
八幡さんもいつかは日本へ帰る、そう考えてチェンマイで余生を楽しまれたのだと思います。
思い残すことのない素晴らしい17年間だったのでは....
脚の痛み以外は至って健康、ボケも全くなし。
彼が言ってました。 
「ボケたり動けなくなって帰国したら、家族に迷惑かけるだけで申し訳ない、元気に日本でも生活したい」
助平だけど一本筋の通った気骨ある人物、チェンマイの引き際も見事、男の美学を感じさせるものでした。
Posted by 独居老人 at 2018年07月25日 12:44
体が丈夫ならチェンマイに居れたのでしょうね。体のどこかガタが来ると大変になるのですね。まだまだ独居老人さんと同じで若いようですが。チェンマイで年金だけで生活している日本人がいます。多分、女はいないと思います。自転車で動いています。真面目です。国民年金で十分に生活出来てちょっと余ると言っていました。女遊びをしないで楽しいのかと思っていましたが、日々元気でいるのが一番なのでしょうね。今回の男の美学で改めて考えさせられました。
Posted by カップ at 2018年07月25日 16:10
近年日本に撤退される方々が多くなった様に思います。団塊の世代またはその上の方達ですよね。私の知り合いの皆さんはまだ元気なうちに日本で残りの余生をと考えての行動だろうと思います。中には日本人同士の人間関係に疲れて(この人はタイ語、英語ダメでした)撤退、ある人はタイねえちゃんに貢いでスッカラカンで撤退した人が数名、ある人は鬱病になり限界を感じて撤退、ある人はタイ人奥さんと離婚してタイが嫌になり撤退と人生色々です。
独身爺さん友人達(ファランもいます)はタイで死んでもいい、またはタイで死にたいと希望する方々も少数?居られます。タイ在住に皆さん老後をどうお考えでしょう。
Posted by GF at 2018年07月25日 16:48
団塊世代で70歳に成りました。

毎朝からの飲酒でアルコール依存症に成り、
糖尿等弊害を伴い、2005年から禁煙断酒をしています。
体力気力の衰えが目立つこの頃です。

去年親族が心配してチェンマイへ来ました。

健康寿命が有る内に(75歳位までに)チェンマイ引き上げを考えています。
日本で養老院等老人施設の調査を開始しましたが、
健康時からの入居は色々問題が有り如何様にするか思案中です。
何だか面倒に成って来て「成り行き任せにするか」とも思っています。

日本でもチェンマイでも、現状ほぼ一日中部屋に隠りPCで遊んでいます。
遊びサイト
https://forum.porteus.org/
Posted by neko at 2018年07月26日 00:57
「老いて男はアジアをめざす」(瀬川正仁著)と言う本があります。
うなづいり、驚いたり・・・ それはちょっとちがうんじゃないかなあーとか・・・
興味深い内容で、一気に読み終えてしまった記憶があります。
独居老人さんの「引き揚げ者たち」シリーズ。その本に登場した男たちの”その後”ですね。
鮭が生まれた川に回帰するように、老いた男は生まれた国へ戻る・・・
Posted by 信天翁 at 2018年07月26日 12:55
カップさん:
チェンマイに暮らす爺さんが、すべて女性目的とは限りませんよね。
日本での生活ならギリギリでも、 チェンマイなら結構優雅に暮らせるもんです。
カネのかかる女性さえ欲しがらなければ、月7万5千で過ごせます。
暑いそして寒い、そんな日本より快適なチェンマイ、年金生活者にとって最高の街だと思ってます。
コメントありがとうございました。
Posted by 独居老人 at 2018年07月26日 15:56
GFさん:
コメントありがとうございます。
チェンマイで末期を迎える爺さんは、しっかりしたタイ人奥さんとの家庭がある人だと思います。
幸せですよね。
日本に帰る人は、そこに居場所があるから。
1番困るのは、タイ/日本のどちらにも居場所がない方でしょう。
居場所が老人ホームでは...帰りたくないなあ。 (ジジイはその可能性大)
チェンマイ引き際のタイミング、難しいですね。

Posted by 独居老人 at 2018年07月26日 16:14
nekoさん:
ジジイも成り行き任せ、元気なうちはチェンマイで....
病気になったら海外保険がありませんので、日本に帰って治療..ということになりますね。
老人施設には入りたくないです。 でも入らざるを得ない、そう考えるとずっとチェンマイにいたいですね。
コメントありがとうございました。
Posted by 独居老人 at 2018年07月26日 16:28
信天翁さん:
コメントありがとうございます。
チェンマイに来て定住する日本人の全てが、チェンマイで死を迎えるとは限りません。
頃合いを見てとか、カネ(資金)が無くなってとか、色んな理由から祖国に帰るんでしょう。ジジイのアパートに長く(10年以上)住んでいたご夫婦も、先月(6月)日本に引き揚げました。
ご亭主は81歳、奥さん(台湾人)が55歳、2人とも元気なんですよ。
80歳を越え、元気なうちに日本で暮らして末期を迎えよう...こんな理由でした。
日本の家族からも、「もう帰ってきたら」と勧められたとか。
お幸せなチェンマイ生活でしたね。
Posted by 独居老人 at 2018年07月27日 06:09
日本への引揚者シリーズ、考えさせられるものがありますが、私には帰る場所がないので、帰る場所がある人はうらやましいです。これで思い出すのは、滞在延長のため、手続き4ケ月前になると知人を訪ねて借金をしている爺さんたちです。おひとりさま80万バーツにもいるし、家族ビザで40万バーツすらクリアしない爺さんもいると聞いています。そこまでするなら手厚い保護制度がある日本へ帰った方が良いのではないかと思ったりしますが・・。
Posted by コンジョン at 2018年07月30日 11:04
コンジョンさん:
コメントありがとうございます。
ジジイの知人にも同じような爺さんがいましたね。
でもその方には、日本には帰る場所がありませんでした。 
とにかくチェンマイにしがみついてなきゃならないんです。 タイ人の奥さんもいたし....
タイ人と所帯を持ってる日本人は、大概タイで骨を埋めるようです。
ジジイはチェンマイ一人暮らし、と言って引き揚げるのも寂しいもんですよ。
Posted by 独居老人 at 2018年07月30日 14:17
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: