チェンマイ独居老人の華麗なる生活1883(テレビの ”狂大” な力)
何も起こらなかったと いう事実もニュースだ。
今野勉 (TVプロデューサー・演出家)
下の円グラフをご覧ください。
2020年5月18日、 TBS番組 「ひるおび!」 が放送したもの。
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朝日新聞の “内閣支持率” の世論調査を円グラフに...
『支持しない』 が47%、 しかし円グラフは60%以上もあるかのように作成してある。
この番組の視聴者はパッと見た瞬間、 支持しないが圧倒的なんだ...という印象を持つだろう。
そこがTBSの狙いだったと思う。
小学生でも作れる円グラフ、 テレビ局がこんな簡単な間違いをする訳がない。
で、バレたら 「間違いがありました、 お詫びします」 で終わり。
こんな円グラフだってテレビで放映されるから驚き。
以下はフジテレビの朝の番組 「とくダネコロナSOS」 のもの。
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☝ 自粛生活を耐えられると思う期間。
(調査対象は2098人)
この円グラフの間違いにお気付きですか?
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左側ブルーの12.1%と、 右の赤の12.1%が同じじゃない。
5月6日まで耐えられるの方が大きく占めている(ポカミス?)
もう1つ、 間違いが隠されている、 ナニ?
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円グラフの表示数値(%)を全部足してみると分かる。
100になるはずなのに.... 108.9 になるのだ。
ジジイの計算間違いかと思い、 4回も計算しなおした。
テレビ番組というのが如何にいい加減か。
石原慎太郎が東京都知事だった時代だ。
TBSの番組で、 調査結果を同じく円グラフで表していた。
見ていたジジイ、 ちょっと変...と感じ、 表示の%数値を足してみたら100%を超えていた。
ハガキに間違いを記して、 TBS宛てに送った。
ジジイの75年近い人生で、 メディアに抗議したのはこの1回だけ。
なぜジジイがハガキで抗議したか?
嘘をついてでも、 石原都知事を非難する魂胆が見え見えだったからだ。
メディアが意図的にしばしば使うのが、 発言の1部だけを切り取ってビデオ報道する汚い手段。
前後の発言(文脈といえよう)をカットして、 ほんの1部を報じて批判するやり方だ。
例えば、 「夜更かしする君のことは好きじゃないけど、 僕は君といる時が1番幸せなんだ」
で、 テレビは ”君のことは好きじゃない” だけを大きく取り上げる。
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これもTBS番組 「ひるおび!」 で、 おそらく意図的に報じたと思われる(2017年7月3日)。
小池百合子が都知事に当選 → 就任、 挨拶に出向いた小池都知事との握手を川井都議会議長(自民党)が拒否したと放映。

これは映像から握手シーンをカットしたわけで極めて悪質。
正義の使者が小池、 待ち受ける悪漢が自民都議団という筋書き作り。
下がカットされたシーン。
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☝ まずちゃんと頭を下げて挨拶する川井議長。
そして2人は握手。

テレビ報道を知った川井重勇都議会議長(69)は、
「握手を拒否したことはない」 と否定した。
それでもTBSは、 お詫びも訂正もせず知らんぷり。
その影響が間違いなくあったろう。
その後の都議会選挙で、 悪役にされた川井都議会議長は落選。
「HUFFPOST」 の記事も、 「挨拶回りに来た小池氏との握手を拒否した川井都議会議長が落選」 とTBSの嘘に騙された。

川井さんはTBSの嘘報道がもとで、 結局政界から引退。
お気の毒としか言いようがない。
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テレビ局の社員は他の業種と比較して高給取り、 手厚い福利厚生をエンジョイしている。
これは放送業界が享受する既得権益(電波利権)があるからできること。
その電波使用料は次の通り (wikipediaより)
(2015年)
・NTTドコモ:201億円
・KDDI:131億円
・ソフトバンク:165億円
・NHK:約21億円
・日本テレビ系列:約5億円
・TBS、 フジテレビ、 テレビ朝日、 テレビ東京系:約4億円。
利益に対してテレビ局の電波利用料は1%未満という微々たるもの。
テレビ局が如何に恵まれているか、 携帯電話キャリアの3社と比較すれば一目瞭然。
この電波料問題で、 かって自民党の河野太郎議員が総務省に訊いたことがある。
「テレビ局ごとの電波利用料の負担金額を出してほしい」
で、 総務省は何と答えたか。
「個別の負担金額は開示しておりません」
河野議員が 「どうして出さないのか」と尋ねると、 総務省は 「テレビ局のプライバシー」 だと答えたとか。
その後、自民党が総務省に強く要請して公開されたが...
(注) これは笑い話でも作り話でもありません。
銀座や赤坂でレストランをやれば、 店の家賃はべらぼうに高額。
家賃の10倍以上の売り上げがないと経営は厳しいとか。
テレビ局は、 家賃と見ていい電波料をタダ同然で経営している。
テレビ局がボロ儲けできるわけがここにある。
* *
憶えておられるでしょう、 今治市での獣医学部新設問題。
安倍首相の友人が経営する加計学園が新設することに決定。
これに反対したのが、 岩盤規制崩壊を阻止しようとした文科省事務次官の前川喜平さん。
あの ”貧困女性問題” に熱心な爺さんだ。
この時のテレビ報道のやり方は極端に偏向していた。

圧倒的に前川さんの発言時間が長く(合計2時間34分)、 彼の 「行政が歪められた」 の主張をTVで流し続けた。
一方の加戸前愛媛県知事は、 「歪められた行政が正された」 という主張がたったの6分。
もう1人は原 英史国家戦略特区ワーキンググループ委員だが、
「規制改革のプロセスに1点の曇りもない」 は2分35秒。
加戸前知事と原 英史氏(元経済産業省の官僚)の発言は、 2人合わせて8分35秒。
テレビは前川喜平さんの発言を、 2人合計の18倍の時間を使って報じたのだ。
で、 国民の印象は、 「安倍政権によって行政が歪められた」 ってことに....
メディアは、 ”正義は前川喜平、 悪漢は安倍/加計にしたかった。
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最近のコロナ報道でも、 テレビ朝日は自分の都合のいいように映像を編集して放映。
番組 「グッド!モーニング」で、 取材された医師は怒った。
ご自分の考え(主張)が逆の方向で報じられたからだ。
編集で都合よく切り取り、 医師の主張を伝えない、 これがTV報道の汚いやり方だ。
かって「テレ朝の椿報道部長事件(ココ)」 で、 自民政権を倒したことは今でも語り草になっている。
テレ朝はこのところ、 朝の報道番組で素人・玉川徹がコロナについてデマ飛ばし頻発、 謝罪が多い。
泥棒や強姦魔は謝っても逮捕される。
テレビはただ謝ればそれで済む、 なんのお咎めなし。
だがテレビの誤報は世間を惑わし、 国家を危険にさらす。
その間違えた報道だって怪しい。
意図的にやってるぞ。
チェンマイって ホントいいですね!
<参考文献>
西村幸祐著

☝ イースト・プレス、 1,430円。