チェンマイ独居老人の華麗なる生活1548(アスリートの汗と涙)
オリンピックは、 単なる世界選手権大会ではない。
それは平和と青春の花園である。
クーベルタン男爵 (オリンピックの創立者)

父上様、母上様、 三日とろろ美味しゆうございました。
干し柿、餅も美味しゆうございました。
敏雄兄、姉上様、 おすし美味しゆうございました。
克美兄、姉上様、 ブドウ酒とリンゴ美味しゆうございました。
巌兄、姉上様、 しそめし、南ばん漬け美味しゆうございました。
喜久蔵兄、姉上様、 ブドウ液、養命酒美味しゆうございました。
又いつも洗濯ありがとうございました。
幸造兄、姉上様、往復車に便乗させて戴き有難ううございました。
モンゴいか美味しゆうございました。
正男兄、姉上様、 お気を煩わして大変申しわけありませんでした。
幸雄君、秀雄君、幹雄君、敏子ちゃん、ひで子ちゃん、良介君、敦久君、みよ子ちゃん、ゆき江ちゃん、光江ちゃん、彰君、芳幸君、恵子ちゃん、幸栄君、裕ちゃん、キーちゃん、正祠君、立派な人になって下さい。
父上様、 母上様。
幸吉はもうすつかり疲れ切つてしまつて走れません。
何卒お許し下さい。
気が休まることもなく御苦労、御心配をお掛け致し申しわけありません。
幸吉は父母上様の側で暮らしとうございました。
これは円谷幸吉選手の遺書である。
文豪・川端康成が感嘆して語った。
『ありきたりの言葉が、 実に純な命を生きている。
そして、 遺書全文の韻律をなしている。
美しくて、 誠で、 悲しい響きだ。
売文家の私はこの遺書に文章の真実と可能性を見えたことはまことであった』
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円谷幸吉は1940年5月、 現在の福島県須賀川市に生まれた。
陸上自衛隊勤務。 陸上競技の選手。
1964年東京オリンピックにて、 マラソンで銅メダルを獲得。
これが日本が陸上競技において獲得した唯一のメダルに....

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優勝したアベベに続いて、競技場に姿を見せた円谷選手。
その後ろをイギリスのヒートリーがスパートをかけ迫る。
それでも彼は振り向かず、 残り170メートルで抜かれて3位。
で、 次のメキシコシティ五輪に期待は膨らんで行った。
しかしオーバーワークから腰椎のカリエスを患い、 後年悩まされるようになる。
人事異動で不運が重なった。
自衛隊体育学校の校長が、 円谷のよき理解者だった吉井武繁から吉池重朝に替わる。
吉池は、 選手育成のために許されてきた特別待遇を見直す方針(変更)を打ち出した。
吉池は円谷の婚約を 「次のオリンピックの方が大事」 と認めず、 結果的に破談に追い込む。
直後に、体育学校入学以来 円谷をサポートして来た畠野コーチが突然転勤となり、 円谷は孤立無援に...
さらに円谷は幹部候補生学校に入校した結果、 トレーニング時間の確保にも苦労。
無理して過度なトレーニング → 腰痛は悪化して椎間板ヘルニアを発症、 1967年(昭和42年)に手術を受ける。
病状は回復したが、 全盛期のような走りは無理。
メキシコ五輪の年、1968年1月、 円谷は自衛隊宿舎の自室にてカミソリで頚動脈を切って自殺(享年27)。

周囲の大きな期待、 技術論より精神論の日本陸上界、 孤軍奮闘の円谷幸吉はこれらの重圧を跳ね返すことができなかったか。
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2月に白血病を公表した競泳女子の池江璃花子選手(18)。
2020東京オリンピックの金メダル候補だっただけに残念としか言いようがない。

全国から寄せられた手紙は本人に届けられ、 約4万羽に上る千羽鶴は地元江戸川区のスポーツセンターに展示されている。
池江選手への励ましからか、 骨髄バンクのドナー登録が急増。
白血病公表前は月平均2千〜3千人だった新規登録者数が、 2月は1万1600人、 3月も7千人を超えている。
彼女は現在も治療中、 必ずや快復を果たし、 元気に泳いでほしいと心から願っている。
池江選手は強い上に超美人、 だからジジイは大ファン。
まだ若い、 もし2020東京に間に合わなくても次がある!
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オリンピックで日本が1度も金メダルを獲得していない競技種目は結構多い。
人気種目で見れば、 男子マラソン(注)、 卓球、 フェンシング、
自転車などがある。
(注) 1936年(日韓併合時代)のベルリンオリンピックで、 孫基禎がマラソン金メダルを獲得。
しかしその後、 孫の国籍は日本から韓国に書き改められている。
2020東京オリンピックで、 有力な金メダル候補がいる。
種目は自転車、 プロ競輪選手の脇本雄太(30、 福井)だ。
2019年1月開催のアジア自転車競技選手権大会(ジャカルタ)では、 男子ケイリンで金メダルを獲得。
2018年10月、 フランス・パリで開催のUCIトラックワールドカップ、 男子ケイリンで優勝。
脇本は2017年12月にも優勝(日本勢14年ぶりの快挙)しており、 2年連続の同種目ワールドカップ金メダル。
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その実力は本業の競輪でも目を見張る稼ぎっぷり
オリンピック中心のトレーニングのため、 出走はG-1レースだけだがそれでも凄い。
2018年8月のオールスター競輪(いわき平競輪場)で優勝。
2018年10月の寛仁親王牌(前橋競輪場)で優勝。
2019年4月のG-2レース、 ウィナーズカップ(大垣)で優勝。
2019年5月の日本選手権競輪(松戸)では、 G-1レースで21年ぶりのオール1着完全優勝。
彼の異名は 『異次元』 (の強さという意味)。
2016年のリオデジャネイロオリンピック出場では惨敗したが、 2020東京では雪辱を期待。
自転車競技は1896年のアテネオリンピックから実施されている。
陸上、 競泳、 体操、 フェンシングの4競技とともに、 第1回から途切れることない人気種目だ。
オリンピック自転車で日本初の金メダル、 夢が実現しそうだ。
脇本雄太選手、 2019年日本選手権競輪のレースです。
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https://www.youtube.com/watch?v=YzZ-X3VwgQo
今日6月10日から →
2020年東京オリンピックまで あと410日。
(開催期日:2020年7月24日)
何としても....
それまで生き長らえたい。
チェンマイって ホントいいですね!