2019年02月19日

独居老人の生活1443(コブラ・ゴールド2019:後編)


 本日は前回(#1442)の続きです。


チェンマイ独居老人の華麗なる生活1443
                      (コブラ・ゴールド2019:後編)


 百年兵を養うは、 ただ平和を守るためである。

                                 山本五十六 (戦前の軍人)


2月17日、 チェンマイ → ピサヌローク空港に到着した我々避難訓練参加者は、 空港近くのレストランへ移動。

ここでイケメン航空自衛隊員から説明を受ける。
ピサヌロークからチェンマイへ避難する想定での演習だ。

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イケメン隊員はこう言って協力を願い出た。

「何でも質問してください。 どんなことでも構いません。
  近くにいる隊員の誰に訊いて戴いても結構です」

次に避難者に対し、 設定した役を演じて欲しいとの要望。

@ 14名(ランダム抽出)だけ別行動で空港に向かう。

レストラン出発は午前11時(残ったジジイたちは午後1時出発)。

選ばれた14人は夫婦や子供連れが多く、 集合場所 → 空港への想定で、 隊員に救出される邦人役を担う。 

移動過程でのハプニングも用意されていたのではなかろうか。


A ナイフを持って避難する人。

セキュリティチェックの際ああだこうだ言われても、 「高額だ、 親友の形見だ」 とか言ってゴネる役。

没収されようとしても、 とにかくゴネて欲しいと言われる。
避難民の中で最も強面(こわもて)の爺さんが挙手して協力。


B 大きくて重い荷物を持って避難する人。

こちらも 「持ち込めません」 の想定で、 徹底してゴネる役。
見かけ40代の男性が志願(協力)する。

空港で見ていたら、 この方の演技力は役者にしたい程すごい。
中々引き下がらず、 隊員が3〜4名で対応、 四苦八苦していた。

”自衛隊アカデミー主演男優賞” を貰って戴きたい。


C 避難の際、 行方不明になる人。

例えばボケ老人は目を放すと徘徊してしまう。
隊員がそんな人を探し、 空港まで連れて行くという設定か。

で、この役に手を挙げたのは、 まさにいつも徘徊してそうな感じの爺さんだった。

この爺さんが訓練後に語る。
「連れて行かれた場所は空港の貴賓室。
  大臣などVIPが入る部屋で、 快適だったよ」


D 避難中に熱中症などで倒れる人。

倒れて急病人の役を演じる = 隊員らが患者を救助する設定。
見かけ40代の男性がこれに協力。

こちらも空港で見ていたら、 迫真の演技。
炎天下のコンクリの上に座り込み、 タオルを頭にかけてグッタリ。

これに気付いた隊員や女性(看護師か)駆けつけて何やら対処。
担架もあったが、 乗らずに歩いて部屋に連れていかれた。

後で同じ部屋にいた人が話すには、
「隊員らは本当に倒れたと思い込み、 病院に搬送しようとした。
  男性が大丈夫と言ってスタコラ歩いたのでほっとしてたよ」

見てたジジイも本当に体調不良だと思ってしまった。
この男性は、 ”チェンマイ・アカデミー演技賞” の受賞候補に...

                 * *

とまあ、 皆さん非常に協力的で、 自衛隊・邦人保護訓練のお役に立ったものと思う。

ジジイも志願しようと、 2つ役割が出るのを待っていた。

1つは酩酊してフラフラの老人役。 
役が決まればビールをしこたま飲んで酔うつもりだった。

2つ目は、 若き美女が避難中に足をくじき歩行困難に....
それを支え、 歩行を助ける男性役だ。

どちらの役も要請がない、 起こる確率は高いのに....
寝たきり老人役でも良かったがこれもなし。

で、 ジジイ他は午後1時までレストランでスタンバイ。
早めのランチでのんびりと時間つぶしだ。

   バフェ料理は美味しかった。
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  食事中の避難者。
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  自衛隊は女性隊員も活躍、 広報撮影係(左側)。
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  オッ、 歌舞伎の市川海老蔵が隊員役で登場!
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避難民の老人とスキンヘッドを自慢し合う海老蔵ソックリさん。
顔を隠したが、 隣はチェンマイのキムタクと評判の美男爺さんだ。

ジジイが海老蔵ソックリ隊員に訊いた。
「所沢のキャバクラじゃモテモテでしょう?」

「いやあ、 それほどでも.....」 とご謙遜。

航空隊員の皆さんは応対が素晴らしく美男美女ばかり、 俳優か高級ホテルに転職できそう。 いや、それより政治家がいいかも。


と、ここで本物の政治家(国会議員)がご登場。

薗浦健太郎衆議院議員(46歳、 千葉5区・ 4期)で、 現在首相秘書官(国家安全保障担当)を務める。
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    ☝ 薗浦首相秘書官(左)と黒江チェンマイ筆頭領事。


ちなみに薗浦議員は2003年の総選挙で初出馬 → 落選。
2005年初当選、 だが2009年総選挙で落選(比例復活もダメ)。

初出馬を含め、 衆院選挙は6戦して4勝2敗の成績。
次の選挙で薗浦議員への逆風は、 東大法学部卒の学歴だ。

東大法卒といえば、 今や ”とんでもない奴ら” のイメージ。

歌舞伎町出会い系バーで貧困女性を研究した前川喜平さん。
「縛ってイイ?」 と女性記者を口説いた福田財務省事務次官。

「このハゲー、 死ねー!!」 の豊田真由子元衆院議員。
W不倫、週4回のセックスで名を馳せた山尾志桜里議員。
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薗浦先生にもこんなイメージが付きまとう。
しかし上記4人はみな官僚経験者。

薗浦先生は役所勤めは1度もなく、 読売新聞の記者出身。
一緒くたにされたくはないだろうが....

薗浦議員は20分ほど避難民と懇談後、 レストランを後にした。

                * *

レストランに残った避難民は午後1時前、 空港に向け出発。
空港一帯は物々しい警備、 如何にも救出活動中の雰囲気。

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       ☝ 暑い中武装して避難民を守る日本兵。



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  邦人避難民も米国兵のチェックを受ける。
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毒ガスや放射能を浴びていないか、 厳重なる化学反応検査だ。
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     ☝ 人形じゃないよ、 炎天下に立ち続ける米兵。



  それが済むと今度は手荷物検査。
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オレンジのベスト着用者は、 各地の大使館からの応援要員で、
パキスタン、 レバノン、 釜山などに勤務の日本人職員の方々。



続々チェックを受ける邦人避難民。
人数が少ないからいいが、 これが数千人だったら大変だろう。
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すると突然、 1人のアメリカ人が取り押さえられ、 「爆発物所持、 退避!」 の指示が飛ぶ。

オレンジのベスト着用の職員がジジイの前に立ちはだかり、
「ずっと向こうに下がってお待ちください」......ジジイは不運。

やっと日陰に入れると思ったのに逆戻り、 15分ほどコンクリの上で立ち往生。

  ”太陽の下の73歳”、 ジジイはマジで倒れそう。
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        ☝ 米人避難民も同じく炎天下で待つ。


倒れ役の日本人が座り込んだ以外は元気に検査を通過。
そして午後2時過ぎ、 チェンマイ行きの輸送機に乗り込んだ。
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機内の警護兵に守られて、 午後2時半、 飛行機は出発。
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  輸送機内にはちゃんとトイレが付いている。
  後部側面にあるのだが、 写真の矢印がその場所。
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漏れそうになり、 セットされたトイレに駆け込む爺さん。
使用中はカーテンを閉めて見えなくする。
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カーテンがあるだけ、 音や臭いは筒抜けだ。
大便なら大変、 「ブッ、 ブスッ、 ビチャ」 機内に臭気が漂う。

もっとも飛行中はエンジン音などがうるさくて、 聞こえないと思うが....臭いはどうか。

機内に200人ほどでも詰め込んだらどうなることやら。
しかし現実の避難には、 もっと大勢の人がやって来るだろう。

                 * *

とまあ、 こんな具合で無事、 邦人保護訓練は終了。
避難民になった我々は午後3時半頃、 在チェンマイ日本総領事館前で解散した。

自宅に着いて、 戴いたギフト(記念品)を開けてみた。
  ボールペンとタオル。
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  まだある、 丹後縮緬の風呂敷(だと思う)。
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実際に避難することになったら、 この風呂敷を頭にかぶって逃げるのだ。 いや、手荷物を包んでもいい。

ランチをご馳走になった上に、 このようなお土産まで頂戴した。
それ以上に貴重な体験、 関係者に感謝あるのみ。

素晴らしい航空自衛隊の活動に接し、 自衛隊への信頼感はますます増した。


ジジイの希望はただ1つ.....

自衛隊は紛れもない軍隊だ。






1日も早く、 憲法を改正して欲しい。


チェンマイって ホントいいですね!

  <追記>
陸上自衛隊も 「コブラ・ゴールド2019」 に参加している。
彼らの活躍ぶりはビデオでどうぞ!
                 ☟
https://www.youtube.com/watch?v=9NjbxDDxlGE

米海兵隊、 そしてタイ王国軍と一緒に学校建設支援。


posted by チェンマイ華麗なる独居老人 at 13:18| Comment(6) | 社会思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする