2018年12月17日

独居老人の生活1383(洗脳映画)


チェンマイ独居老人の華麗なる生活1383(洗脳映画)


  プロパガンダとは、

  自分が信じていないことを他人に信じさせること。

                                 アバ・エバン (イスラエルの政治家)


ジジイの子供の頃はまだテレビが普及しておらず、 最大の娯楽は映画だった。

なので映画による影響は大きいものがある。
ハリウッド西部劇を観れば、 騎兵隊が善でインディアンは悪と思い込んでいた。

とんでもない、 先住民の ”インディアン” を殺戮して土地を奪ったのは、 移住した ”アメリカ人”なのだ。

真田幸村が主人公なら、 徳川家康は狸爺の悪人となる。
幕末では勤皇の志士が善で、 徳川幕府は悪。

新選組なら近藤勇が善で、 芹沢鴨は悪人になった。
清水次郎長や国定忠治はカッコいい正義の親分、 ヒーローだ。

このように知らず知らずのうちに子供だったジジイは洗脳された。

これらの制作に関わった映画会社の社長や監督は、 洗脳する目的ではなかったはず。

単に勧善懲悪の映画がヒットするから作っていたと思う。


しかし戦前戦後には、 政府のプロパガンダのための映画が制作されていた。
その代表的な作品が、 ナチスを称賛する映画だ。

まずナチスが政権を獲得した1933年、 アドルフ・ヒトラーは直々に監督を依頼、 ニュルンベルク党大会の映画を作らせる。

その才能を高く評価された監督がレニ・リーフェンシュタール。
              ☟
    pict-レニ・リーフェンシュタール.jpg   


公開された映画が 『信念の勝利』。
しばしば割引料金や、 時には無料でも公開された。

ドイツ国民のうち2千万人ほどが、 この党大会記録映画三部作の第一作を見たという。


レニは1902年ドイツ生まれ、 元女優でもあった。

彼女はこのあと、 ナチス独裁を正当化し、 国威を発揚させるプロパガンダ映画を作り続ける。

               * *

1935年に公開されたのが 『意志の勝利』。

    pict-意志の勝利.jpg   


1934年に行われた国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)の全国党大会の様子が記録されている。

突撃隊の整然たる行進が美しい。
またナチ党諸部隊のヒトラーの前での閲兵行進も圧巻。

ジジイはこの映画を観に行ったことがある。
渋谷だったか、 小劇場での公開。

途中の居眠りなし、 飽きさせない見事な出来栄え。

pict-(意志の勝利).jpg


4分40秒でチョットだけご覧なってください。
Triumph of the Will(意志の勝利)
              ☟
https://www.youtube.com/watch?time_continue=15&v=BFJKkS9XEtA

               * *

レニ・リーフェンシュタールが続いて監督した映画が 『オリンピア』。

ベルリンオリンピック(1936年)の記録映画でヴェネツィア映画祭最高賞(ムッソリーニ杯)を受賞した。

これは5分32秒で....
         ☟
https://www.youtube.com/watch?time_continue=11&v=HHt927h9B5Y

               * *

レニ・リーフェンシュタールは第二次世界大戦後、 米軍とフランス軍によって逮捕される。

精神病院に収監されるが、 裁判では 「ナチス同調者だが、 戦争犯罪への責任はない」 との無罪判決 → 釈放となる。

しかし戦後、 ナチスの協力者として非難、 黙殺されている。

現役の映画監督として復帰し、最後の映画作品となったのが2002年、 『ワンダー・アンダー・ウォーター 原色の海』。

その翌年の2003年、 長年助手を務めたホルスト・ケトナーと結婚し、最期は彼に看取られて死亡(享年101)。

ナチスとレニ・リーフェンシュタールについては、 この本が参考になった。
                ☟
    pict-ナチスと映画.jpg


最後にヒトラー演説でも......  2分26秒
             ☟
https://www.youtube.com/watch?v=OEiQj-FjCRc

                * *

日本でもプロパガンダ映画が作られた。
戦後GHQによる 「助言」 とはいうが強制的に....

目的はいずれも日本人に贖罪意識を植え付けること。
軍国主義者と政府の人間が侵略戦争を導いたことを匂わせる
内容だ。


『犯罪者は誰か』 (大映)
1945年12月27日公開、 上映時間77分。

監督:田中重雄、
出演:阪東妻三郎、 見明凡太朗、 浦辺粂子。

観客実績は約300万人といわれる。

  <あらすじ>
自由主義思想を抱く代議士植森隆平は日本戦うべからずと主張し戦争防止に努めていた。

国内の雰囲気は軍国主義的色彩は濃厚となり、 植森の身辺には圧迫が加えられる。
衆議院に於ける彼の演説は非国民の烙印。

植森は憲兵隊に拘引され拘置所に....
この間B29の本土空襲は激化し、 植森の妻は防火中に死亡。

妻の死を知らされても、 彼は自説を曲げなかった。

戦後、 拘置所を出た植森を待つものは敗戦の現実。
平和日本建設に邁進する若人達と新しい時代の曙光であった。

               * *

『民衆の敵』 は1946年に東宝が製作、 上映時間:83分

今井正監督の戦後第1作、 第1回毎日映画コンクール監督賞受賞作品。
出演:藤田進、 花柳小菊、 河野秋武、 志村喬。

戦時中に増産映画の名手であった今井監督が、 戦時中の工場での財閥の横暴を描く。
尚、 東京大空襲シーンは円谷英二の特撮(遠望のみ)。

左翼映画だったが観客数は約200万人。

              * *

『戦争と平和』 は1947年公開(東宝)、 100分。

監督:亀井文夫、 山本薩夫 
主演:池部良、 伊豆肇、 岸旗江、 菅井一郎

  pict-戦争と平和 (1947年.jpg


憲法普及会の企画で、「戦争放棄」 がテーマ。

D・W・グリフィス監督の 『イーノック・アーデン』 を下敷きに、 戦争が引き起こした二重結婚の悲劇を描いた反戦映画。

完成したフィルムはGHQの検閲で30分近くが削除された由。

映画の最後に 「平和憲法」 で未来があるといったナレーションが入る。

観客は大ヒットで550万人だったとか。

pict-戦争と平和 東宝1947.jpg

「流亡の曲」 この映画の主題歌です。
               ☟
https://www.youtube.com/watch?v=UBbeGIBJ7zY

               * *

GHQが日本の映画会社に助言と称して作らせた映画は9本と聞く。
観客はプロパガンダとは気づかずに熱狂して観たのだ。

映画に加え、 ラジオドラマやドキュメンタリーでも、 GHQの洗脳は行き届いていたという。

米国は国民も国も戦争好き。  しかし日本を骨抜きにするマインドコントロールは徹底していた。

そしてその影響は現在まで続く。
日本は侵略戦争した悪い国、

”反戦を誓い平和を祈る”   平和憲法が日本を守る...

日本は御伽噺の国になってしまった。

一方で、 他国ではプロパガンダの映画やドラマが今も強烈。
韓国で、 中国で、 悪い日本をこれでもか..と描き続ける。

日本はおとなしくじっとしている。






人のいい国です、 わが日本。


チェンマイって ホントいいですね!

 <お暇なら>
NHKの反戦ドキュメンタリーです)

前編「昭和の戦争と平和」 
https://www.youtube.com/watch?time_continue=75&v=yv7O0CSX100

後編「昭和の戦争と平和
https://www.youtube.com/watch?v=IJdEveFfaYk





posted by チェンマイ華麗なる独居老人 at 10:54| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする