2018年10月03日

独居老人の生活1313(引き揚げ者たち-4:海)


チェンマイ独居老人の華麗なる生活(引き揚げ者たち4:海)


   海に抱かれて 男ならば 
   たとえ破れても もえる夢を 持とう

   海に抱かれて 男ならば 
   たとえ独りでも 星をよみながら 

   波の上を 行こう
                           岩谷時子 (海・その愛)


Tさん(65)と出会ったのは7年くらい前、 場所は和食店 「のぼる」 だった。
pict-のぼる.jpg
       ☝ 日本人爺さんの溜まり場だった 「のぼる」。


ジジイがランチで 「のぼる」 に行けば、 大概彼と出くわす。
独身、 タイで結婚できればと、 その頃は嫁探しもやっていた。

「のぼる」 の店内で ”釣書” を見せて貰ったことがある。
収入はありのまま、 低額の年金が書かれていた。

「嘘でもいいから、 もう少し多めに書いたらどう、
 預貯金はちゃんとあるんでしょうよ」 とジジイ。

Tさんの友人が ”釣書” を配ったお陰で候補者が1人現れた。
相手は40半ば、 彼は即決で断る。

当時Tさんはまだ58歳、 もっと若い女性を望んでいたようだ。
そのうち Tさんは、 「のぼる」 の店員・N嬢に恋心が......
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pict-1501551110678ニーと轟.jpg
                  ☝
       しかし2人の間にメロドラマは起きなかった。


数年経ち、 「のぼる」 は店主が鬼籍に入り閉店。
現在は別人が経営、 タイ飯屋になっている。 (地図はココ
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pict-P_20180930_13122元のぼる1.jpg
     ☝ 1食35バーツで食べられる。

                  * *

Tさんはその後チェンマイを離れ、 サラピーとランプーンの境にある一軒家に引っ越す。

彼が好む広々とした庭、 広がる田園風景。
家はキッチン付き、 料理が趣味のTさんには最高の環境。

pict-轟自宅2.jpg


家賃は5千バーツ/月、 そこでTさんは孤独を楽しむ日々。
当然 恋人なし、 たまに馴染みのカラオケ嬢を呼んで発散。

我々友人も招待され、 自慢の料理を振る舞ってくれた。

    pict-P_20171011_111407轟宅串焼き.jpg
      ☝ 左端がTさん、 右端がよも助さん。

                 * *

チェンマイに住んで7年経過、 Tさんは何を思ってか、 突然日本に帰ることに.....
そして9月26日、 チェンマイを引き揚げ、 帰国の途についた。

引き揚げる前の8月下旬、 ジジイは友人と一緒にTさん宅訪問。
この思い出の庭で別れの盃を交わそうと.......
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轟自宅.jpg
       ☝ 引っ越した頃、 T さんとランチした庭。



行って見て驚いた、 テーブルは草に覆われて形を見せず。
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pict-DSCN4341轟宅引き揚げ前 (1).jpg



  玄関に通じるコンクリも草が邪魔する。
pict-DSCN4341轟宅引き揚げ前 (2).jpg
      ☝ 1ヵ月後にはおさらば、 庭の手入れ無用。
        これまではTさんが丹念に庭掃除。



  家の中は整理が済んでガラン。
pict-DSCN4341轟宅引き揚げ前 (5).jpg
      ☝ 所有の車もバイクも早々に売って処分。



  ツマミとビールで乾杯。
pict-DSCN4341轟宅引き揚げ前 (4).jpg
       ☝ もう本格的な料理はできない状態。



で、 ランプーンの名所、 ワット・ハリプンチャイを見物。
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pict-P_20180822_133605ハリプンチャイ (2).jpg
       ☝ 何を思う、 これから日本で羽ばたくTさん。

この後、 近くにある川沿いのレストランでランチ。
Tさんが初めて来たというちょっとお洒落なレストランだった。

                 * *

帰国を4日後に控えた9月22日、 Tさんとの最後の食事。
安いガイヤーン(鶏焼き)店でランチ。  (地図はココ

pict-DSCN4565轟ガイヤーン (1).jpg
                  ☝
   この店はビールなし、 期せずして各人2本ずつ持ち込む。


勿論、女性に縁のないTさんに恋人が現れるはずもない。

爺さん3人が昔話に花を咲かせることもなく、 いつものように淡々と飲んで食う。

エロ話も色っぽい話もなし。
あ、 思い出した、 一言だけジジイがTさんに訊いた。

「カラオケの〇〇ちゃんと最後の記念 H はしないの?」

「もう興味ないですよ、 全てに未練はありません」

pict-1537525925210.jpg
         ☝ Tさん、 ジジイ、 Sさん。


この日がTさんとは最後。
ではTさんは何処へ向かおうとしているのか?
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https://www.youtube.com/watch?v=NBHarWRG6RI


彼は独身の息子さんの近所にアパートを借りる予定。
そしてそこを拠点に、 日本の各地を1人で旅行したいと言う。

で、 これからTさんが住む所は瀬戸内海の島。
本四連絡橋が通り、 交通の便がいい街。
                  ☟
pict-Screenshot_20180727-151959轟の日本.jpg

65歳のTさんの余生は長い。
これからずっと、 この海辺の街で暮らすのか?


ところが今年、 チェンマイを卒業したのはTさんだけではない。

ジジイ・Tさんと一緒にランパーン列車の旅をしたUさん(70歳)も
チェンマイにはもう来ない。

Uさんは仲間数人とヨットを購入しており、 海でセーリングを楽しむという。

pict-瓜生さんランパーン.jpg
      ☝ 2017年4月7日、 ランパーンのホテルにて。
        右がUさん。



加えてこの方もチェンマイを卒業。

                ☟

    pict-pict-よも助.jpg
      ☝ よも助さんは沖縄で日本の冬を過す。


Tさん、 Uさん、 よも助さんの3人に共通するものは、

@ チェンマイで恋人できず    A 年金受給額が少ない  
B 独身   C 酒好き

彼らはチェンマイから海に親しむ生活へ.....男のロマンなのか?

3人にはそんな雰囲気はちっとも感じられないが、 それでも孤高の爺さんたちは行く。


ジジイは、 みんなにまたチェンマイに戻って来て欲しい。

特に9月に引き揚げたTさんには、 大変お世話になっている。
    Tさんお手製の燻製ポーク ☟
pict-P_20180913_184407ポーク燻製 (2).jpg


   pict-P_20180913_184407ポーク燻製 (1).jpg

                  ☝
Tさん最後の手作り燻製ポーク、 先月ジジイが一人で夕食。
何度も頂戴したこのポークはジジイの舌を虜にした。


戻って来いよ、 燻製ポーク!   もう一度食べたい。






Tさんの余生に 幸多かれと祈る。


チェンマイって ホントいいですね!



posted by チェンマイ華麗なる独居老人 at 10:55| Comment(16) | 華麗なる生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする