2018年08月10日

独居老人の生活1264(引き揚げ者たち3:爺さんの勝負・後編)


 本日は前回の続編です。


チェンマイ独居老人の華麗なる生活1264
               (引き揚げ者たち3:爺さんの勝負・後編)


  世界のどこかに自分の子供があるということは、
  全く捨て置き難い。

  この地を愛せずしてなるものか。

                                 横光利一 (作家)


離婚を決意した松坂さんは、 奥さんと話し合いに入る。
24歳年下の彼女はすんなりとは受け入れない.....当然のこと。

日本やタイで離婚や別れ話の経験をお持ちの方は、 よくお分かりの事と思う。

埒が明かない状況に松坂さんは、 意を決して弁護士に相談。
チェンマイ市内にある日本語OKの法律事務所を訪ねた。

その弁護士は、
「今後の話し合いは、 私がします。 
 奥さんとの連絡は絶ってください」 とアドバイス。

松坂さんはそれ以降、 奥さんからの電話には出ない、 居場所を明かさないなどの注意を払う。


弁護士が入ったとて、 すぐ合意に至るわけがない。
娘名義の土地・家屋の売却法、 娘の養育権問題など、 そう簡単なことではない。

                 * *

弁護士がどう話を進めたか、 詳しいことは分からない。
合意まで半年以上はかかったように記憶する(曖昧)。

弁護士は松坂さんの希望通りに事を収めた.....奥さんが折れてくれたのだ。

奥さんがチェンマイまでやって来る → 弁護士と一緒に夫婦2人が役所に行き → 離婚届を提出。

子供の養育権は松坂さんの手に......
イサーンにいる娘の引き取りは、 幼稚園卒業後..で合意。

その幼稚園の卒園式、 松坂さんは車を飛ばしてイサーンまで行く。
自分1人ではポツンとなるパーティー、 友人に頼んで2人で出席。

大勢のタイ人の中、 日本人爺さん2人は娘の卒業を祝った。 
そしてその後、 娘はチェンマイの父のアパートで暮らし始める。

                  * *

老いてできた子供は特に可愛いという。
ましてや松坂さんにとってはたった1人の子供である。

これからは、 67歳の彼が娘を育てなければならない。
まずは小学校への入学 → 自宅(アパート)近くの学校に決定。

松坂さん1人では娘の世話はキツい → 運よくベビーシッター(50代)が見つかった。

ラッキーだったのは、 このベビーシッターが素晴らしい女性。
タイ人ながら日本語を話し、 木目細かに世話してくれたという。

ちなみにベビーシッター代は8千バーツ/月。
友人たちは 「5割増しでいい」 と無責任な事を言ったものだ。

                * *

いつ決断したのか、 松坂さんは娘を連れて日本に帰ると言う。
日本の学校で教育させ、 日本人として育てたいとの思い。

ジジイはこの話を聞いた時、 それは驚いたのなんの。

でも松坂さんが養育権を取りたいと願った時から、 この案は彼の頭にあったのかも.....「オレの娘は日本人」

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       ☝ 松坂さん送別会(居酒屋ガガガ)


過日、 父娘はベビーシッターのおばさんに見送られ、 チェンマイ空港を飛び立った。

空港でお別れの時、 不安げな娘におばさんはこう言ったという。

 「またすぐに会えるからね」

涙するおばさんの言葉、 娘はこれを信じたろうか。


小学1年の娘にとっては初めての日本。
67歳の父親共々、 今後新たな問題に直面するかもしれない。

しかし父娘2人、 いかなる試練をも乗り越えて行くだろう。


父娘に関し、 ジジイの気がかりが一点だけある。
松坂さんはジジイと同じで大の酒好き。


娘さんが成人に達するまで元気でいること.... これが松坂さんに課せられた責務である。

娘が20歳、 このとき父親は......








 81歳。

松坂さん父娘に 幸多かれと祈る。


チェンマイって ホントいいですね!





posted by チェンマイ華麗なる独居老人 at 11:48| Comment(17) | 華麗なる生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする