2015年01月13日

独居老人の生活157(花の都)


本日は極めて真面目なお話です。
NHK教育テレビに匹敵する教養ブログと自負。
皆様のお役に立てれば幸いです。   ではどうぞ!



チェンマイ独居老人の華麗なる生活‐157(花の都)


 わるい時がすぎれば、よい時は必ずくる。

 おしなべて、事を成す人は、必ず時を来るのを待つ。
 
 
                                     松下幸之助



独居老人、チェンマイで住む場所はいつもDowntownを選ぶ。
一人だから、近くにレストランやエンターテインメントがなければ退屈してしまう。

他の日本人も皆ジジイと同じと思っていたら然(さ)に非ず。

チェンマイ市内から遠く離れた田舎暮らしをする爺さんが多くいらっしゃる。 これには些(いささ)か驚いた。

何を好き好んで田舎に行かなきゃならぬのか、不思議だった。

分かったのは、そんな爺さんの殆んどが、タイ人のパートナーに引っ張られて行ったという事。

そうでなければたった一人、縁もゆかりも無い田舎暮らしは、僧侶とか勤務先都合を除いては考えられない。

                


次に紹介する小山さん(仮名、60歳)もそんなお一人。

チェンマイで知り合い結婚、奥さん(50歳)の実家のある田舎に引っ越す事になる。
チェンマイから車で1時間半ほど走った静かな村。

そして奥さん所有の土地に家を新築するのだが、
本日はその顛末、チョッと覗いてみてください!


(1)建設業者の選定。

奥さんの親族の紹介で、地元の大工さんに決める。


(2)建築費用。

大工見積もりは、材料費29万バーツ、労務費22万バーツ、
合計51万B。
特に見積書とか契約書はなかったと言う。

その他、設計料として設計士に7000Bの支払い。
設計の業務としては、外観、部屋の設計配置、内線工事など。


(3)工事期間。

大工から3ヶ月と言われ、これに同意する。
勿論契約書は無いので、全て口頭での約束。


(4)地鎮祭。

地鎮祭の時にたて柱(神が宿る柱)を置いた。
丁度その位置が設計図ではトイレになっていた。

そんな大事な場所に便所を設置するのは縁起が悪いと、これが他の部屋割りに影響、設計変更を余儀なくされる。


(5)基礎工事の後に。

土盛りをやり、固まる迄暫く待つ。
そして基礎工事が終わり、柱を数本立てたところでタイの雨期に突入、工事は中断する。

大工はこの間、自分の家の農作業(田んぼ)に勤しむ。
所謂(いわゆる)農家であり大工なのである。


(6)家屋の建設と進捗。

雨期が明けて工事再スタート。
この段階で、約束の工期(3ヶ月)はとっくに過ぎていた。

大工は1〜2週間毎に労務費の支払いを求めて来る。
材料は、大工から指定された物を施主が購入、大工に渡す。

要は必要な材料や手間賃は、施主がその都度金を出す訳である。


工事日程が遅れに遅れ、タイ人の奥さんはイライラが募り大工と大喧嘩。

しかし、「嫌なら他でやって貰ってくれ」 と居直られただけ。

施主の方は、ほっぽり出されても困るので、唯ひたすら我慢、辛抱、忍耐あるのみ。


工事期間中、小山さんご夫婦はチェンマイのアパート暮らし。

月に2回ほど現場を訪ねる小山さん夫婦、捗らない工事にフラストレーションは溜まるばかり。

現場では、近くに住む奥さんのお姉さんが工事を見守り、大工の世話などもやってくれたと言う。


(7)竣工        

完成の暁は、工事開始から1年1ヶ月後にやって来る。
工期3ヶ月の約束(口頭契約)は何ら意味がなかった。

漸(ようや)く家屋が完成。
大工の労務費と材料代に支払った金額は100万Bを超えていた。
当初見積もりの51万Bから2倍以上に・・・・・。

この70万Bに加え、内装、電気工事、塀や庭の整備などが入って、結局掛かった総費用は170万バーツに達した由。



(8)外部に設置した水タンク。

小山さんは水の確保のため、屋外に1.2m x4m高のコンクリート製タンクを作らせる。
自分たちのシャワーや芝の水撒きに使うためだ。


このタンクに地下水を入れて貯めるのだが、使い始めてアッと気付いたと言う。
自動(給水・停止)装置がなく、手動で管理せねばならない。

なのでタンクが空になるとバルブを緩めて水を入れる。
水がタンクいっぱいになるとバルブを締めに行く。

大体1日半で空になり、その手間が煩わしいと小山さんはこぼす。

「自動制御は日本では当たり前、指示しなくても付いていると思いますよね」



新築工事を総括して小山さんの悟り:

日本の常識は通用しない。(今頃悟っても遅いけど)

見積もりはあってもいい加減、
瑕疵担保、加えて責任などと言う観念は全くなし。



下は小山さん宅の前の通り。
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近くにコンビニなし、レストランなし、何もなし。
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尚、水タンクの自動化は引越しから半年後、約900バーツで実現した由。

 
前回トイレがテーマだったが、小山さんのご自宅内にはトイレが3ヶ所、地下に3つの浄化槽がある。
水分は地下に自然浸透、残留物は業者に処理を依頼。



(8)新居暮らしスタート。

小山さん曰く:

直ぐ近くに日本人は誰もいませんからね、やはり寂しいですね。
その反面、女房の親戚がたくさんいましてね。

冠婚葬祭が多いこと、毎日が葬式って感じですよ。
辺りは静かだから、何処からともなく読経が聞こえるんです。


住み始めると足りない物が出て来るんですね。
女房は、欲しい物は躊躇せず買いますし、金が出て行くだけ。

私は女房を乗せて車を走らす唯の運転手。

正(まさ)しく私は”アッシー君兼ATM” です。



私の家から車で20分程行った所に先住の日本人がいましてね。
この方はタイ人の奥さんと長年の田舎暮らし、色々教えてくれるんです。

「嫁にしてやった、家を建ててやった、なんて思ったらいけません。

 養子にしてもらった、妻の家に住まわせて戴いている、
 こう考えた方が上手く行きます。

 何事も我慢、我慢。
 目標を持って、何かに打ち込めば良いのです」


そう言う事で、今目標を模索中なんですが中々・・・・。

縁あって愛する女性と結婚し、田舎に住む事になりました。
愛なんて束縛があって面倒なもんです。

なければ自由、私にとって今やチェンマイは「花の都」、憧れです。



さあお待たせしました。
小山さんが苦労の末、完成した新居です。







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この豪邸で小山さんは、アッシー君とATMの毎日です。

            * *


There is no place like home.    住めば都


ご夫婦が艱難辛苦を共にされ、一緒に力を合わせて作ったマイホーム。

映画やドラマでも、悪戦苦闘、協力して苦難に立ち向かい、大団円を迎えたヒーローとヒロインは、最後に愛が芽生えてエンディングとなる。


小山さんご夫妻も、今回の新築冒険ドラマによって愛が深まった事と思う。

小山さんが言うには、大よそ完成した頃、お試しの1泊をした由。

まだ布団の用意もなかったが、板の間で奥さんとお試し、膝が板に擦れて痛かったのなんの、いたた・・タイの1発に・・・・・・・。

お二人で激しく揺れても家は傾くことなく、安心したそうな。

引越し当日、夜の本番は新婚初夜の如し、さぞかし熱く激しい1発で愛を再確認されたものと確信する。



小山さんにとって憧れの「花の都」、
それは小山さんが住まわれる田舎、”住めば都” である。



え! 都だけど花がない? 


ウーン、それはココ(をクリック)に訊いてください。




最後に一言、

独居老人、ペンペン草の生える「花の都」は絶対嫌です。



こりゃダメだ。

チェンマイって ホントいいですね!

当然です、 「花の都」ですから。

(追記)
今回のネタにご協力戴いた小山さんに感謝!!!





posted by チェンマイ華麗なる独居老人 at 08:00| Comment(4) | 社会思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする