チェンマイ独居老人の華麗なる生活‐123(病気予防)
予防は治療に勝る エラスムス(オランダの文学者・ 神学者)
独居老人は前夜から残るアルコールを燃焼すべく、ほぼ毎朝散歩に出る。
時折りチェンマイ市営競技場にも行き、凹凸のない外周やトラックを歩く。
ジジイの友人Kさん(69歳)は毎朝この競技場で汗を流す。
勿論目的は病気予防、健康維持のためである。
ある日、いつもは歩いているKさんがジョギングしているではないか。 訊くと「最近体が重く感じてね・・・」の答え。
その後もKさんはいつも一人で黙々と走っていた。
10年来のウオーキングが何故ジョギング? と不思議だった。
つい先日もKさんが懸命に走っている姿を目にした。
しかしその日は一人ではない、20代のタイ人女性と一緒に走っている。
若い女性の走るスピードはかなりなモノ、それを69歳のKさんは全力疾走で彼女にピッタリ付いて走る。
独居老人、ここでピンと来た。
Kさんが数日前から頑張る一人ジョギングは、この日の為の鍛錬だったのだ。 目的はナンパ。
走り終えたKさん曰く。
「大変よ。でも走らなきゃあ口説けないしね・・・・・・。
一緒に頑張って走る、ここから運命共同体って感覚が出てね、
2人の運命的”合体” に進むのよ」
御年69のKさん、あれだけ無茶して走っていれば女の子と”合体” なる前に、”合掌” チーンになるであろう事確実。
そのKさんが1ヶ月ほど前にタチレク(ミャンマー =メーサイとの国境)を旅した。
下戸で趣味は女だけと言うドスケベのKさん、当然の事ながら毎晩置屋に出向く。 若くて純朴な女が多いらしい。
馴染みの女と一夜を明かした後、その女が言ったそうな。
「あたし、B型肝炎にかかってるの」
「事が終わってから言われてもなあ」
とKさんは思ったが、チェンマイに戻っても放っておいた。
しかし数日経って体にだるさを感じたKさん、心配になり病院へ行き検査を受ける。
B型肝炎、結果セーフ。
Kさんがいみじくも言う。
「あんだけ走ってた訳だから、疲れて体もだるく感じたんだね」
思う念力岩をも通す
爺さんの体をはったナンパは楽じゃない。
* *
この日バイクで走って向かった先は和食屋「鳥福」。
ジジイ一人、ナンパなしのランチ。
場所は、スーパーハイウエイの「Grand view Hotel」の前。
北タイ情報紙「Chao」の地図(E‐1)
店の看板

入口

店内。 最近開店したばかりで新しい設備。

先ずは枝豆45バーツ。 量が多すぎて半分持ち帰る。
Beer Chang大瓶75バーツ。

トンカツセット85バーツ。

日本語を話す若い店主。

* *
バンコックに居る知り合いの女の子(と言っても30半ば? の日本人)M嬢からLINEが入った。
「今日A型肝炎の予防接種に行く」と書いてある。
その日の夕方に届いたLINEでは、「行ってみて黄熱病の予防接種を受けて、その後A型肝炎を・・・・」に変えた由。
チェンマイ在住の日本人で、黄熱病の予防接種を受けたって人、ジジイは聞いた事がない。
加えて彼女はあと10日もすれば日本に帰る予定。
A型肝炎ならともかく、何の為の黄熱病接種なのか見当もつかぬ。
タイでやると日本の半値以下、予防接種代は何を受けても安いらしいが・・・・・。
考えられる理由は次の4点。
(1)野口英世に縁(ゆかり)があるM嬢。
記念の接種。

(2)予防接種マニアのM嬢。
そうなるとこの後更に、破傷風、コレラ、チフス、麻疹、おたふく、水疱瘡、インフルエンザ、子宮頸がん、天然ボケ痘などの予防接種を受けて帰国するのであろう。
まさに歩く予防接種オンナの日本生活。
(3)注射針で刺す時のチクリの痛みに快感を覚えるマゾのM嬢。
これだけ接種すればチクリチクリ、チクチク快感の連続、悶えも高まって満足か。
(4)強い副作用で苦痛に耐える己の姿を鏡に映し、一人快感に浸るマゾのM嬢。
彼女にはマゾの気があるのかも・・・・・・。
因みに独居老人、海外旅行の為に受けた予防接種は破傷風のみ。
32年前の37歳、インドを旅した時に東京でやったモノ。
その後14、5年前に2度インドを訪れたが何もせず。
ジジイが旅したチョッとヤバそうな国、パキスタン、スリランカ、モロッコ等でも、予防接種など一切考えなかった。
結果、それでも罹患なし、運が良いのかな。
だからM嬢の予防接種好きが不思議でならないのだ。
ジジイがからかって
「ボケの予防接種を受けたいが、やってる病院ある?」
と送信したら、M嬢からの返信は泣かせるモノであった。
「いやいや、そんなの必要ないですよ〜」
その裏を読めば分かる。
「爺さん、あなたはとっくにボケている、予防の必要なし!」
年取ると僻みっぽくなるなあ。
老いて再び稚児になる
こりゃダメだ。
チェンマイって ホントいいですね!