チェンマイ独居老人の華麗なる生活‐94(SALE)
君は野に咲く あざみの花よ
見ればやさしや 寄れば刺す
独居老人にカノ女(恋人)はいない。
しかし食事に付き合ってくれる女性ならいる。
その一人、B嬢(32歳)からメールが入る。
タイ語をグーグル翻訳したようで、日本語で長々と綴られていた。
拙い日本語で何か健康に関する語句が並んでいる。
興味がなかったので、返信せずそのままにしておいた。
そのメールの3日後、お昼時に電話がかかってきた。
B嬢の電話はいつも12時頃、当然ランチを一緒にとなる。
そこで落ち合ったのが、前に当ブログ‐72(造語完結編)で紹介したピン川沿い、リンピンスーパー近くのカフェーレストラン。


ワクワクして待っていると、B嬢が紙バッグを持って現れた。
彼女は注文を終えるとジジイに問いかける。
「メール、読んでくれました?」
「うん、だけどよく分からなかったよ」とジジイ。
B嬢が紙バッグから徐(おもむろ)に取り出したのは靴下。
膝下まであるストッキングだ。
Made In USAの文字がカバーに印刷されてある。
見本を取り出し、「これは体に良いのです」と言う。
これで鈍感・独居老人もピンと来た。
このストッキングを履けば血行が良くなり健康になる、という代物(しろもの)だ。
B嬢は「これを買って欲しい」と言う。
値段を訊いて驚いた。 1セット3000バーツ。
「チェンマイじゃ暑くてソックスなど着けていられないよ」
「せめて300バーツ程度なら考えるが・・・・・・」
「ゴメンなー、要らないよ」
売り込みに失敗したB嬢は寂しそうな表情、飯だけ食べて帰って行った。
彼女はしばしば自分が食べる料理の他に、”持ち帰り” を一品オーダーする。 同居する恋人に渡すのであろう。
(カレ氏はいませーん、と言っているが・・・・・)
勿論支払いは全てこのジジイ。
この日はその”持ち帰り” もしなかった。
とにかくもこんな70近い爺さんに付き合ってくれるのだ、ありがたい気持ち。
しかしこのようなセールスは初めて。
買ってあげられないジジイの悲哀、辛いモノがある。
能力ない、魅力ない、精力ない、財力ない、んでカノ女ない、ナイナイ尽くしの哀れな独居老人だ。
これは真実、これまでB嬢に迫った事は一度もなし。
上手く口説けたとしても彼女はカネがかかる女。
惚れ込んでいる訳でなし、暇潰しで丁度いいと思っている。
* *
この日の晩飯は散財なし、自宅でひっそり一人で食う。
MAYAー北タイ情報紙「Chao」の地図(E‐2)ーの地下、日本食惣菜屋「あげ満」で買って来たモノ。
きんぴら30バーツ、ベーコンコロッケ25バーツ。

自分で野菜類は用意する(白菜と納豆)

B嬢はチェンマイの某四ツ星ホテルに勤務、ジジイと顔見知りになって4、5年は経とうか。
ここ1、2年はジジイから誘う事はない。
いつも写真のB嬢から連絡を貰う。

下記はSALE前にB嬢から届いたメール、
健康ソックスの説明文から語句だけを抜粋しコピー。
足と足首をマッサージ
脚の静脈に血液の凝固を防ぐ
足の痛みや静脈瘤
皮膚潰瘍、下肢静脈血栓症
足への血流があなたの日常生活に健康
健康ソックスを買いたい人は何処かに居るんでしょうね。
3000バーツです。
独居老人、マッサージ店で美女に揉んでもらった方がいい。
ゴメンネ、Bちゃん。
チェンマイって ホントいいですね!